温度センサ校正
 
校正の仕事をしたいと思い、チノーを選びました。今はとても仕事が楽しいです。 私は学生時代、研究室で物質の性質を調べる研究をしていました。より正確に試料の温度を測りたい、という思いから校正という概念に出会い、校正の仕事をしたいと思ってチノーを選んだんです。願いは叶い、温度計の校正業務にあたる日々を送っています。放射温度計や記録計の開発など、各種機器を作る技術開発センターの中では、ちょっと毛色が違う仕事ですね。 温度計は性質上、個体差があってどうしても測定結果にズレが生じます。例えば材料のロットごとに性質がわずかに違うためにズレが起こってしまうんですね。そのため、校正業務では、校正をご希望されたお客様には、製品として完成後にズレの大きさを測り、値も含めてどれくらいのズレなのかをお客様に報告しています。また、1本のセンサに対して毎年校正を依頼されるお客様もいます。
製品自体は○℃~○℃の範囲を示せば合格、とするJIS規格に適合するようにできてはいますが、その中でのどの位置か、というのを調べます。ズレ自体の大きさは、0.1℃から1℃といった程度のレベル。国家標準器のある筑波の産業総合技術研究所に一番近いところの校正を行っています。この校正業務で心がけているのは、いい加減なことをしない、ということです。そのセンサが本来示す値をなるべく引き出せるよう、基本に忠実にという気持ちで望んでいます。仕事は楽しいですし、可能な限り校正業務を続けていきたいです。

職務内容

校正の業務量としては、平均して週に一本、月に4本です。流れとしては、下準備から始まって測定作業、その後はデータ処理となります。ハイライトとなる測定作業は半日程度ですが、この前後に時間を要するため一本計測するのに一週間かかるんです。また、業務の一環としておよそ3ヶ月に一度、講習会を受けに外出します。内容はデータ処理の仕方など、校正に関係することです。

プロフィール 久喜事業所 標準技術部 田中 良忠

2009年入社。大学院時の研究で温度計測に興味を持つ。料理が好きで、週末に一週間分を作り置きする。ジャンルは洋風が多い。また、自宅でウーパールーパ―を飼育している。