熱画像計測装置開発
 
色々なことに挑戦できるので、製品開発の流れを掴みやすいです。

学生時代の研究は窒化物半導体の作製とその物性評価でした。その際に、半導体基板の温度を測っていたのがチノーの放射温度計でした。少しの温度の違いによって、出来上がる半導体の物性も変わることから、温度を正確に測ること、求める温度になるように正確に温度をコントロールすることの大切さを感じました。広く使われる製品の開発の仕事に就きたかったため、自分が研究している分野以外でも様々な産業で温度計測は重要なファクターであると思い、チノーへの入社を決めました。
わたしが開発している製品は、温度(放射エネルギー)を画像として計測する熱画像カメラです。熱画像は全ての画素が同じ精度で温度を測れるように、様々な補正を演算することで、温度計として機能しています。私はその補正に使われる数万~数十万画素分のデータを解析するソフトや、完成した熱画像の検査をするソフトの設計を担当しています。プログラミングや解析に使う統計学などは入社してから勉強しました。学生時代の勉強と直接的に結びつく仕事につくのも専門性を高められていいですが、わたしのように仕事のために一から新しいことを勉強できるのは、自分の幅を広げられるいい機会になると思います。新しい製品を開発するときには初めに勉強が伴うことも多く、基本的な数学や物理への理解は必要です。
最近では、国際的な資格のISO18436-7に基づく機械状態監視診断技術者(サーモグラフィ)のカテゴリⅠ資格を取得しました。これは熱画像(サーモグラフィ)を使った測定技術や機械の異常検出、その原因の特定などの能力を有する人に与えられる資格です。熱画像のカメラの仕組みだけでなく、利用方法についても理解を深めることで、現場で使いやすい熱画像を提供できるようになると思います。また、展示会やセミナー等に参加して、最新の技術についても調べています。他社の動向はもちろん、開発している製品に取り入れられそうな技術や製品についても定期的に情報を収集しています。

職務内容

固定形熱画像計測装置(サーモグラフィ)の開発を行っています。ソフト開発以外にも、部材の発注から熱画像の評価試験まで様々な仕事をしています。少数精鋭で開発しているため、機械・電気・ソフトと明確に担当分けはなく、色々なことに挑戦できるので、製品開発の流れを掴みやすいです。 熱画像の生産工場である久喜事業所に出向いて、製造するための生産設備やそのソフトの構成を検討したり、工程の人に生産方法のフォローをしたりすることもあります。

プロフィール
イノベーションセンター
O.N

2014年入社。大学院では材料工学を専攻。趣味は料理と落語。実は料理よりも料理道具が好きで、土鍋や鉄のフライパンなどを揃えるのが楽しみ。最近は自分の名前を彫ってもらった包丁を購入するほど。