失敗しない温度センサ・熱電対・測温抵抗体ガイド— 一般向けQ&Aでわかる接触式温度測定

失敗しない温度センサ・熱電対・測温抵抗体ガイド — 一般向けQ&Aでわかる接触式温度測定

接触式の温度計測を中心に、原理・配線・誤差・選定・点検の勘所をやさしく解説します。現場で迷いがちな“あるある”に答える実務目線のQ&Aです。

基本(温度センサ総論)

接触式と非接触式の違いは? 基本

接触式(熱電対・測温抵抗体など)は対象に触れて温度を測ります。非接触式(放射温度計)は赤外線から表面温度を推定します。応答速度・設置性・対象との熱的結合で使い分けます。

代表的な素子の違い(熱電対/測温抵抗体 基本

熱電対は起電力測温抵抗体抵抗値の変化で温度を検出します。高温・広範囲は熱電対、精度・安定性は測温抵抗体が有利です。

センサの“応答時間”とは? 基本

ステップ的な温度変化に対し、63%(または90%)に達するまでの時間です。感温部を小さく・薄く、熱容量や熱抵抗を下げると速くなります。

使い方(総論)

正しい取り付けのコツ 設置

目的温度に熱的に密着させ、断熱材や熱伝導グリースで周囲の影響を減らします。流体なら流路の中心付近、固体なら代表点へ。

測定器側の設定は? 表示器

センサー種別(熱電対種類/測温抵抗体素子・線式)、単位、フィルタ、アラーム、スケーリングを正しく合わせます。

配線(総論)

ノイズ対策の基本 配線

シールド・ツイスト、電源線やインバータから距離を取り、接地は一点アース。長距離は変換器(4–20 mA/IO-Link等)併用が有効です。

延長配線はどう選ぶ? 配線

熱電対は補償導線、測温抵抗体は接続導線の材質・線径でバランス良く。コネクタは極性・接触抵抗を確認します。

環境影響(総論)

振動・湿気・化学雰囲気の影響 環境

振動は断線・接触不良の原因、湿気は絶縁低下、腐食性ガスは被覆劣化を招きます。保護管・端子箱・正しいIPで保護します。

トラブルシューティング(総論)

表示が安定しない/遅い トラブル

熱容量不足、応答時間ミスマッチ、フィルタ設定不適、ノイズ混入が疑われます。取り付け見直しと配線ルート整理を。

点検・校正(総論)

現場での簡易点検 点検

氷点/沸点・恒温槽・ドライブロックを用い、基準センサと比較。必要ならスパン/ゼロを調整します。

選定の目安(総論)

熱電対と測温抵抗体、どちらを選ぶ? 選定

範囲・温度(高温は熱電対)、精度・安定測温抵抗体)、応答(微小は熱電対/薄型測温抵抗体)、環境(耐振動・耐食)で比較。変換器の有無やケーブル長も考慮します。

参考資料(一般公開情報)

  • 熱電対の基礎と種類:IEC 60584-1/JIS(タイプ記号・許容差)
  • 測温抵抗体の基礎:IEC 60751/JIS(Pt100/Pt1000、クラスA/B等)
  • 配線・ノイズ対策:計装配線のガイドライン、各社トランスミッタ取説
  • 点検・校正:ドライブロック/恒温槽/基準抵抗器の活用

※ 詳細値や規格の最新情報は、各規格票と製品の取扱説明書をご参照ください。

最終更新日:

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