既存設備の更新にデジタルプログラム調節計KP2500

2020年にKPシリーズに新たな外部駆動入力の仕様が加わりました。
ロングセラーのデジタルプログラム調節計KP2000シリーズをベースとしたKP2500という機種になります。

1. 概要(KP2500とは)

製品デザインはKP2000と同じ

KP2500は、長年にわたり信頼されてきたロングセラー デジタルプログラム調節計KP2000をベースに開発された製品です。
この調節計は、工場や産業機器において、温度などの物理量をあらかじめ設定された手順(プログラム)通りに、自動で精密にコントロールする役割を果たします。
KP2500は特に、他社既存設備からの更新をスムーズに行うために、外部からの操作信号の仕様を改良したモデルです。

カタログはこちらからダウンロードできます。

2. KP2500の核心:外部駆動入力の革新とKP2000との違い

KP2500の最大の特徴は、他社の古い設備からの置き換え(リプレース)を容易にするため、外部駆動入力の仕様が大幅に改善された点にあります。
この変更は、制御システム更新時の設計工数の大幅な削減に貢献します。

KP2000 標準仕様との比較

項目 KP2000 (従来仕様) KP2500 (新仕様) 主なメリット/備考
運転/停止信号 一つの信号(接点)の立ち上がり・立ち下がりで切り替え RUN、STOPを別々の端子で独立して受け付け 制御設計の簡素化、外部機器との連携が容易に
ステータス信号 RUN/STOPを1つの端子で出力(機種により異なる) RUN、STOP(HOLD相当)を別々の端子で出力 運転状態の把握がより明確に
同期運転機能 マスタースレーブ同期運転が可能(WAIT機能を使用) WAIT機能を削除(マスタースレーブ同期運転は不可 機能の取捨選択による仕様の明確化

運転/停止信号の独立化によるメリット(詳細)

従来のKP2000の標準仕様では、運転開始(RUN)と停止・一時停止(STOP/HOLD相当)の操作を、一つの信号(接点)の立ち上がりと立ち下がりで切り替えていました。

しかし、KP2500では、運転開始(RUN)と停止(STOP)(HOLD相当)が別々の端子で独立して受け付けられるように変更されました。
これにより、外部の制御機器からの指示出しが容易になり、既存の制御システムからの更新作業(リプレース)における工数を大幅に削減することが可能になります。

その他の外部駆動入力の仕様

RUN、STOP以外にも、以下の操作も外部信号によって駆動されます。
これらの操作は、ワンショット接点信号(瞬間的な信号)によって駆動されます。

  • ADV (次のステップへ進む)
  • RESET (リセット)

正逆切替機能

機械の動作方向を切り替える正逆切替機能も備わっています。

  • 端子を開放すれば:逆動作
  • 端子を短絡すれば:正動作

3. 基本機能(高性能の裏付け)

KP2500は、デジタルプログラム調節計としての高い基本性能と信頼性を備えています。

  • プログラム容量: 最大19パターン/29ステップの運転手順を細かく設定・実行できます。
  • 出力の種類: オンオフパルス出力やSSR駆動パルス出力など、制御対象や用途に応じて「動作種類」の切り替えが可能です。
  • 警報動作: 運転中に待ち時間警報が出た場合、その後の動作は自動で次のSTEPへ進むように設定されています。
  • 汎用性: KPシリーズは、一般工業製品向けの汎用品として設計されており、幅広い産業で利用されています(ただし、原子力や医療機器など人命・財産にかかわる用途での使用は意図されていません)。

4. まとめ

KP2500は、実績のあるKP2000シリーズの信頼性を引き継ぎながら、特に外部駆動入力の仕様を改良した戦略的なモデルです。
他社製品からの更新や、複雑な外部連携が必要な既存設備の置き換えを検討されているお客様にとって、設計・配線工数の削減という大きなメリットを提供します。

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