最終更新日:2025年6月12日
まずは結論!SDカードの種類と特徴が一目でわかる比較表
規格名 | 容量 | ファイルシステム | 転送速度 | 主な用途 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
SDカード | ~2GB | FAT16 | 最大25MB/s | 音楽プレイヤー、古いデジカメ | 基本的な規格。 対応機器は多いが今は稀。 |
SDHCカード | 4GB~32GB | FAT32 | 最大104MB/s | 一般的なデジカメ、フルHD動画 | 標準タイプ。 コスパ重視。 |
SDXCカード | 32GB~2TB | exFAT | 最大312MB/s | 4K動画、一眼レフ、ミラーレス | 大容量・高速。 高画質撮影の主流。 |
SDUCカード | 2TB~128TB | exFAT | 最大624MB/s | 8K動画、業務用・産業用 | 次世代の超大容量規格。 プロ向け。 |
SD Expressカード | 最大128TB | exFAT | 最大4GB/s | 業務用8K撮影、高速データ処理 | SSD並みの超高速転送。 |
【重要】購入前に必ずチェック!
SDカードには上位互換性がありません。
例えば、「SDHC対応」の機器で「SDXCカード」は使えません。
必ずご使用の機器がどの規格まで対応しているか、取扱説明書や公式サイトで確認してください。
【規格別】SDカードの種類とそれぞれの違い
1. SDカード (Standard Capacity)
黎明期を支えた基本の規格です。
- 容量: 最大2GB
- ファイルシステム: FAT16
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特徴: 日常的な写真撮影やフルHD(1080p)動画の録画に十分な容量と性能を持ちます。
価格と性能のバランスが良く、現在でも多くの機器で標準的に採用されています。
一般的な用途であれば、まずこのSDHCカードで問題ないでしょう。
2. SDHCカード (High Capacity) - 迷ったらコレ!な標準規格
「HC」はHigh Capacity(大容量)の略。SDカードの使い勝手を大きく向上させ、広く普及しました。
- 容量: 4GB ~ 32GB
- ファイルシステム: FAT32
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特徴: 容量が小さく、現在ではほとんど生産されていません。
古いデジカメや携帯オーディオプレイヤーなど、ごく一部のレガシーデバイスで利用されます。
幅広い機器で認識される互換性の高さが最後の砦です。
3. SDXCカード (Extended Capacity) - 4K動画や高画質写真の必需品
「XC」はExtended Capacity(拡張容量)を意味し、4K動画や高画素カメラの普及に伴い主流となった規格です。
- 容量: 32GB ~ 2TB
- ファイルシステム: exFAT
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特徴: 4K動画のような巨大なファイルも扱える「exFAT」ファイルシステムを採用。
大容量データの高速転送に対応しており、一眼レフでの高速連写や高画質な動画撮影には必須の選択肢です。
4. SDUCカード (Ultra Capacity) - 8K時代を見据えたプロ向け規格
「UC」はUltra Capacity(超大容量)の略。プロフェッショナルや産業用途を見据えた、未来の規格です。
- 容量: 2TB ~ 128TB
- ファイルシステム: exFAT
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特徴: 8K映像の長時間記録や、膨大なデータを扱うサーバーなどで利用が想定されています。
対応機器はまだ限定的で非常に高価なため、一般ユーザーが選択肢に入れることは稀です。
5. SD Expressカード - SSDに匹敵する超高速転送
従来のSDカードの形状はそのままに、データ転送の仕組み(インターフェース)にPC向けストレージと同じ「PCIe/NVMe」を採用した革命的な規格です。
- 容量: 最大128TB(SDXC/SDUCに準拠)
- ファイルシステム: exFAT
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特徴: 最大4GB/s近い、まるでSSDのような驚異的な転送速度を実現します。
業務用8Kカメラでの撮影データ即時バックアップや、PCの高速外部ストレージとしての活用が期待されます。
性能を最大限に引き出すには、専用のSD Express対応スロットが必要です。
ここ最近発売された家庭用ゲーム機にも採用されており、今後急速に普及する可能性があります。
【重要】速度はどう見る?スピードクラスを理解しよう
容量と並んで重要なのが「転送速度」です。特に動画撮影では「最低保証速度」が重要になり、その指標が「スピードクラス」です。
クラスの種類 | 表記例 | 最低保証速度 | 用途の目安 |
---|---|---|---|
スピードクラス | C10 | 10MB/s | フルHD動画 |
UHSスピードクラス | U1 / U3 | 10MB/s, 30MB/s | 4K動画(U3以上推奨) |
ビデオスピードクラス | V10~V90 | 10MB/s~90MB/s | 8K動画 |
アプリパフォーマンスクラス | A1 / A2 | − | アプリ起動、データ保存 |
- フルHD動画ならClass10またはU1 / V10以上。
- 4K動画を撮るならU3 / V30以上を選ぶと安心です。
- スマートフォンで使うならA1やA2の表記があるものが快適です。
【目的別】あなたにピッタリなSDカードの選び方
用途 | 推奨規格 | 容量目安 | 速度クラス | 価格帯 |
---|---|---|---|---|
一般写真 | SDHC/SDXC | 16GB~64GB | Class10/U1 | 1,000~3,000円 |
4K動画・連写 | SDXC | 64GB~256GB | U3/V30 | 3,000~15,000円 |
スマホ | microSDXC | 64GB~256GB | A1/A2 | 2,000~8,000円 |
ドライブレコーダー | SDHC/SDXC | 32GB~128GB | Class10/U1 | 2,500~10,000円 |
プロ用 (8Kなど) | SDXC/SDUC/SD Express | 256GB~ | V60/V90 | 15,000円~ |
※価格はあくまで目安です。
まとめ:最高のパフォーマンスを引き出すための最終チェック
SDカード選びは、「①機器が対応する規格」「②用途に合った容量と速度」の2つを確認することが全てです。
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まずは互換性を確認:
お使いのカメラ、PC、スマートフォンの取扱説明書で対応規格(SDHC/SDXCなど)を必ずチェックしましょう。 -
次に用途を考える:
写真を撮るだけなのか、4K動画を撮りたいのかで必要な容量と速度は大きく変わります。 -
迷ったら少し上のスペックを:
予算が許せば、将来的な使い方を考えてワンランク上の容量や速度のカードを選ぶのも賢い選択です。
この記事を参考に、あなたのデジタルライフをより快適にする最適なSDカードを見つけてください。