MLCC製造工程における精密な温度管理には、様々な温度測定機器が用いられます。ここでは、主に利用される機器とその特徴について解説します。
放射温度計(非接触型)
放射温度計は、物体が放射する赤外線エネルギーを検知して温度を測定する非接触型の温度計です。MLCC製造工程のように高温で移動する物体や、触れることができない対象の温度測定に特に適しています。
特徴
非接触測定
測定対象に触れることなく温度を測れるため、製品を汚染したり損傷させたりするリスクがありません。 セラミック粉末、バインダー、溶剤などを混ぜ合わせてスラリーを調合する際、混合時の温度が粘度や分散性に影響を与えることがあります。適切な温度で均一なスラリーを調合することは、その後のシート品質に直結します。高速応答性
リアルタイムでの温度変化を捉えやすいため、高速で流れる生産ラインでの温度監視に適しています。広範囲測定
広範囲の温度を一度に測定できるサーモグラフィ型や、特定の一点に焦点を当てて測定するタイプなど、用途に応じた選択肢があります。高温測定
数百℃から千数百℃に及ぶ焼成炉内の温度測定にも対応可能です。
MLCC製造における用途
焼成炉内の温度分布監視
コンベア炉などで高速に搬送されるMLCCチップの表面温度を測定し、加熱プロファイルが適切か評価します。高速搬送中の製品温度測定
リアルタイムでの温度変化を捉えやすいため、高速で流れる生産ラインでの温度監視に適しています。熱応力によるクラック防止
急激な温度変化が想定される工程で、製品表面の温度変化を監視し、熱衝撃によるクラックリスクを低減します。
熱電対
熱電対は、異なる2種類の金属の接点に温度差が生じると起電力が発生する現象(ゼーベック効果)を利用した接触型の温度センサーです。
特徴
高精度
特定の温度範囲で非常に高い精度での測定が可能です。広範な温度対応
極低温から非常に高温(1,000℃以上)まで、幅広い温度域に対応できる種類があります。耐久性
金属製の保護管に入れることで、過酷な環境下でも使用できます。設置の柔軟性
小型で加工しやすいため、炉内や装置内の特定のポイントに直接設置して温度を測定できます。
MLCC製造における用途
炉内の雰囲気温度制御
焼成炉や脱バインダー炉などの内部雰囲気温度を精密に測定し、炉のヒーター制御にフィードバックします。プロセスガスの温度測定
焼成雰囲気を調整するためのガスの温度を監視します。装置内部の精密温度監視
ロールやベルトなど、装置を構成する部材の温度を直接測定し、装置の安定稼働を支えます。
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作成日:2026.08.25