Chapter 1
半導体とは?
半導体は、導体と絶縁体の中間的な電気的性質を持ち、 条件によって電気の流れ方を変えられる材料です。 この性質を利用することで、電流を流したり止めたり、 電気信号を制御したりする電子部品を作ることができます。
導体・半導体・絶縁体の違い
| 種類 | 電気の流れ方 | 代表例 |
|---|---|---|
| 導体 | 電気を流しやすい材料です。 | 銅、アルミニウムなど |
| 半導体 | 条件によって電気の流れ方を変えられます。 | シリコンなど |
| 絶縁体 | 電気をほとんど流さない材料です。 | ガラス、樹脂など |
なぜ「電気を制御できる」ことが重要なのか
電子機器では、電気を単純に流すだけではなく、 必要なタイミングで電気を流す、信号を増幅する、 情報を処理するなどの働きが必要です。
半導体は、材料の性質や構造を利用して電気の流れを制御できるため、 電子回路を構成する重要な材料として使われています。
Chapter 2
半導体の材料とドーピング
半導体にはさまざまな材料がありますが、 電子機器で広く利用されている代表的な材料の一つがシリコンです。
シリコンなどの半導体材料
半導体材料は、電子の動きやすさなどの性質を利用して、 電気的な機能を持つデバイスに加工されます。
半導体は材料そのものだけでなく、 不純物の種類や量、構造などを制御することで、 必要な電気的特性を持たせることができます。
ドーピングとは何か
ドーピングとは、半導体材料にごく少量の不純物を加えることで、 電気的な性質を調整する技術です。
代表的なものが、N型半導体とP型半導体です。 それぞれ電気を運ぶ役割を担うキャリアの性質が異なります。
N型半導体
電子が主要なキャリアとなるように性質を調整した半導体です。
P型半導体
正孔が主要なキャリアとなるように性質を調整した半導体です。
このように材料の性質を意図的に変えることが、 半導体デバイスを作るための基本的な考え方の一つです。
Chapter 3
PN接合とは?
PN接合とは、P型半導体とN型半導体を接合した構造です。 半導体デバイスを理解するうえで基本となる構造の一つです。
P型とN型を接合すると何が起こるのか
P型とN型を接合すると、接合部分の近くでキャリアの分布が変化し、 電気的な性質を持つ領域が形成されます。 この性質を利用して、電流の流れ方を制御することができます。
ダイオードにつながる基本構造
PN接合の性質を利用した代表的なデバイスがダイオードです。 電流を一方向に流しやすくする性質などを利用して、 整流や保護などさまざまな回路で使われています。
Chapter 4
ダイオードとトランジスタ
半導体の性質を利用して作られるデバイスには、 ダイオードやトランジスタなどがあります。
ダイオード
電流の流れ方を制御するために利用される半導体デバイスです。 電源回路の整流や保護回路など、さまざまな用途があります。
トランジスタ
電流や電圧を利用して信号を制御する半導体デバイスです。 増幅やスイッチングなどに利用され、 集積回路を構成する基本的な要素となっています。
現代の電子機器では、こうした半導体デバイスを大量に集積した 集積回路(IC)が使われています。
Chapter 5
半導体は何に使われている?
半導体は、私たちが普段使っているさまざまな製品に組み込まれています。 一見すると半導体とは関係がなさそうな製品でも、 中には複数の半導体デバイスが使われています。
スマートフォン・パソコン
CPUやメモリ、通信回路、画像処理回路など、 多くの半導体デバイスが使われています。
自動車
エンジンやモータの制御、安全装置、 センサ、通信、運転支援など幅広い用途で半導体が使われています。
LED・照明
LEDは半導体の性質を利用して光を発生させるデバイスの代表例です。
センサ・計測機器
温度、光、圧力、加速度など、 さまざまな物理量を電気信号に変換する半導体センサがあります。
通信・データセンター
ネットワーク機器やサーバ、データセンターなどでも、 演算、記憶、通信を担う多数の半導体が使われています。
AI・エッジコンピューティング
AI処理を行うプロセッサやアクセラレータにも半導体が使われています。 高性能化に伴い、電力消費や発熱、冷却などの管理も重要になっています。
Chapter 6
半導体はどうやって作られる?
半導体デバイスは、材料を用意してすぐ完成するわけではありません。 ウェーハの準備から、膜を形成する工程、不要な部分を除去する工程、 不純物を導入する工程、微細なパターンを形成する工程、検査など、 多くの工程を経て製造されます。
シリコンウェーハから始まる
シリコンなどの半導体材料から基板となるウェーハを用意し、 その表面にさまざまな加工を繰り返してデバイスを形成していきます。
成膜・酸化・拡散・エッチングなどの工程
半導体製造では、材料の表面に膜を形成したり、 不純物を導入したり、不要な部分を除去したりする工程が繰り返されます。 それぞれの工程で適切な条件を維持することが重要です。
微細加工と検査
回路を形成するための微細加工が進むほど、 寸法、膜厚、欠陥などを確認する計測・検査の重要性も高まります。
なぜ製造工程で「温度」が重要なのか
半導体製造には、結晶成長、拡散、CVD、成膜、熱処理など、 温度条件が工程に関係する場面があります。 そのため、温度を適切に測定し、必要に応じて制御、記録、監視することが重要です。
半導体製造でどのような計測が行われている?
半導体製造では、温度だけでなく、寸法、膜厚、欠陥、電気特性、 温湿度など、工程ごとにさまざまな計測が行われています。
半導体製造の温度管理を詳しく知りたい方へ
結晶成長、拡散、CVD、熱処理など、 半導体製造で温度管理が重要になる理由や、 温度センサ、放射温度計、校正などについて詳しく解説しています。
Chapter 7
なぜ半導体製造で計測が必要なのか
半導体製造では、完成した製品を最後に確認するだけではなく、 製造工程の途中で状態を確認し、異常やばらつきを把握することが重要です。
工程の状態を把握する
温度、膜厚、寸法、欠陥などを測定することで、 工程条件が想定した状態になっているかを確認できます。
異常の原因を調べる
工程中のデータを記録しておけば、 品質に問題が発生したときに、どの条件が変化したのかを確認する手がかりになります。
工程改善につなげる
蓄積した測定データを比較することで、 条件のばらつきや傾向を把握し、工程改善や歩留まり改善につなげられる場合があります。
半導体計測を詳しく知る
Further reading
半導体の基礎をさらに詳しく学ぶ
半導体の材料、ドーピング、N型・P型、PN接合などについて、 さらに詳しく確認したい方に向けて、基礎資料をご用意しています。
Webページで概要を確認したうえで、 詳しい内容を資料として読みたい方におすすめです。
FAQ
よくある質問
半導体とは簡単にいうと何ですか?
半導体は、電気の流れ方をコントロールできる性質を持つ材料です。 この性質を利用して、ダイオードやトランジスタ、集積回路などの電子デバイスが作られています。
半導体と絶縁体は何が違いますか?
絶縁体は電気をほとんど流さないのに対し、 半導体は条件によって電気の流れ方を変えられる点が大きな違いです。
N型半導体とP型半導体の違いは何ですか?
N型半導体では電子が主要なキャリアとなり、 P型半導体では正孔が主要なキャリアとなります。 これらの性質を利用して半導体デバイスが作られています。
PN接合とは何ですか?
P型半導体とN型半導体を接合した構造です。 電流の流れ方を制御する性質を利用して、ダイオードなどに使われています。
半導体はどんなところで使われていますか?
スマートフォン、パソコン、自動車、通信機器、家電、LED、センサ、 サーバやデータセンターなど、幅広い分野で使われています。