Chapter 1
半導体製造における歩留まりとは
半導体製造における歩留まりは、 製造した製品やウェーハのうち、要求される品質を満たした良品が どの程度得られたかを見るための重要な指標です。
歩留まりが低下すると、同じ生産量でも得られる良品が減り、 材料、設備稼働、エネルギー、時間などのロスにつながります。 そのため半導体製造では、不良を検出するだけでなく、 不良につながる工程条件を把握し、改善することが重要です。
最終検査だけでは原因まで分からない
最終検査によって不良品を見つけることはできますが、 その結果だけでは「どの工程で」「いつ」「何が変化したのか」まで 判断できない場合があります。
原因を追うためには、製造工程の途中で起きている状態変化を測定し、 データとして残しておくことが重要になります。
歩留まり改善では、「不良が出た後に原因を探す」だけでなく、 「不良につながる状態変化を工程中に捉えられるか」という視点が重要です。
Chapter 2
歩留まりが改善しにくい理由
歩留まりが低下していることが分かっていても、 原因となる工程や条件を特定できなければ改善につなげることはできません。 特に、多くの工程を経る半導体製造では、原因と結果が離れていることがあります。
最終検査では「結果」しか分からない
不良が判明しても、その原因となる状態変化が どの工程で発生したのかを追跡できない場合があります。
工程中の状態変化を捉えにくい
装置やウェーハの状態は工程中にも変化します。 必要な状態を測定していなければ、後から変化を確認することは困難です。
複数の条件が同時に変化する
品質には一つの条件だけでなく、設備状態、加工条件、 温度など複数の要因が関係することがあります。 原因を切り分けるためには、工程データを残すことが重要です。
原因と結果に時間差がある
工程中に起きた変化が、後工程や最終検査で初めて不良として現れる場合があります。 時系列で工程状態を確認できるデータが原因調査の手がかりになります。
Chapter 3
温度ムラとCMP・研磨工程の関係
半導体製造では、結晶成長、拡散、CVD、熱処理など、 温度条件が工程状態に関係する場面があります。 CMP・研磨工程でも、研磨中の温度変化や温度ムラを測定することで、 加工中の状態を把握する手がかりになります。
CMP・研磨工程では加工中の状態が見えにくい
研磨後のウェーハを検査すれば最終的な状態を確認できますが、 研磨している最中にどのような変化が起きていたのかは、 完成後の検査だけでは分かりにくい場合があります。
そこで、研磨中の温度変化をリアルタイムに測定し、 加工状態を確認するための情報として利用する考え方があります。
一点の温度だけでは温度ムラを捉えられない
測定する位置が一か所だけの場合、 研磨面の別の場所で発生している温度差を把握できないことがあります。 どの範囲の温度を確認したいのかに応じて、 測定方法や測定位置を検討することが重要です。
Measure
温度変化を測る
研磨工程中の温度を測定し、 加工中にどのような変化が起きているのかを把握します。
Visualize
温度ムラを把握する
測定対象や測定方法に応じて、 一点の測定だけでは見えない温度差を確認します。
Compare
工程条件と比較する
温度データと加工条件や品質結果を照らし合わせ、 原因調査や工程改善の材料として活用します。
半導体ウェーハ表面研磨の温度測定
チノーでは、半導体ウェーハの表面研磨工程における温度測定について、 工程中の温度変化や温度ムラを把握するための計測方法を提案しています。
Chapter 4
リアルタイム監視が歩留まり改善に役立つ理由
工程中の状態をリアルタイムに確認できれば、 最終検査の結果を待つだけでなく、 加工中に起きている変化を把握できるようになります。
異常の兆候に早く気づく
通常時の温度変化を把握しておけば、 いつもと異なる変化が発生したときに気づきやすくなります。
工程データを時系列で残す
温度履歴を記録しておくことで、 品質に問題が発生したときに、 その製造工程でどのような状態変化があったのかを後から確認できます。
品質結果と工程状態を比較する
温度データと品質結果を比較することで、 特定の温度変化と品質状態にどのような関係があるのかを検討できます。
改善前後を比較する
工程条件を変更した前後の温度データを比較すれば、 改善施策によって工程状態がどのように変化したかを確認する材料になります。
記録・監視について詳しく知る
Chapter 5
温度計測システムで工程状態を把握する
温度データを歩留まり改善に活用するためには、 温度を測るだけでなく、記録し、変化を監視し、 品質結果や工程条件と比較できる状態にすることが重要です。
| 役割 | 確認すること | 目的 |
|---|---|---|
| 測る | 測定対象、測定位置、温度範囲、測定方式 | 工程中の温度状態を把握する |
| 記録する | 温度履歴、測定周期、保存方法 | 後から工程状態を確認できるようにする |
| 監視する | 通常状態、異常時の変化、リアルタイム表示 | 工程中の変化に気づきやすくする |
| 比較する | 加工条件、温度データ、品質結果 | 原因分析や改善検討の材料にする |
温度データだけで歩留まりの原因が決まるわけではない
歩留まりには複数の要因が関係するため、 温度データだけで不良原因を断定することはできません。 温度は、工程状態を把握するための情報の一つとして、 装置条件や加工条件、品質結果などとあわせて確認することが重要です。
半導体計測全体から考える
半導体製造では、温度以外にも寸法、膜厚、欠陥、電気特性、 温湿度など、工程ごとにさまざまな計測が行われています。 歩留まり改善では、一つの測定値だけを見るのではなく、 必要な工程情報を組み合わせて考えることが重要です。
Chapter 6
温度計測を検討するときに整理したいこと
CMP・研磨工程などで温度測定を検討する場合は、 まず何を把握したいのかを整理することが重要です。
| 確認項目 | 整理したい内容 |
|---|---|
| 対象工程 | CMP、研磨、その他の工程のどこで測定するのか。 |
| 測定対象 | ウェーハ、研磨面、装置、周辺部など、何の温度を確認したいのか。 |
| 確認したい現象 | 温度上昇、温度ムラ、時間変化、異常時の変化など。 |
| 測定速度 | どの程度の時間間隔で変化を確認したいのか。 |
| 記録 | リアルタイム表示だけでよいか、履歴を残す必要があるか。 |
| 品質データとの比較 | 測定した温度を、どの品質結果や工程条件と比較したいのか。 |
Further reading
歩留まり改善の考え方を資料で確認する
歩留まり低迷の真因仮説、温度ムラとCMP・研磨の関係、 リアルタイム監視の必要性、 チノーの研磨工程向け温度計測システムについて、 PDF資料で詳しく確認できます。
Webページで概要を確認したうえで、 詳細を資料としてご覧いただけます。
FAQ
よくある質問
半導体製造の歩留まりとは何ですか?
製造した製品やウェーハのうち、 要求される品質を満たした良品がどの程度得られたかを見るための指標です。 歩留まり改善には、不良結果だけでなく工程中の状態を把握することが重要です。
温度を測れば歩留まりの原因が分かりますか?
温度だけで原因を断定することはできません。 温度は工程状態を確認するための情報の一つです。 加工条件、設備状態、品質結果などとあわせて確認することで、 原因調査や改善検討に活用できます。
温度ムラを測定するメリットは何ですか?
一点の温度だけでは把握しにくい、 測定対象内の温度差を確認できることです。 温度分布や時間変化を工程条件と比較することで、 状態把握のための情報として利用できます。
CMP・研磨工程でも温度を測定できますか?
測定対象や設備条件に応じて、 研磨工程中の温度変化や温度ムラを測定する方法を検討できます。 チノーでは、半導体ウェーハ表面研磨工程における温度測定を提案しています。
リアルタイム監視は何のために行いますか?
工程中に起きている温度変化をその場で確認し、 通常時との違いや異常の兆候を把握するためです。 記録したデータは、後から原因を確認するときにも利用できます。
半導体製造の温度計測について相談する
CMP・研磨工程をはじめ、測定対象、温度範囲、 測定したい現象、記録・監視の要否などから、 用途に合った温度計測の方法を検討できます。
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