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赤外線水分計とは?

赤外線水分計は、水による赤外線の吸収などの光学的な変化を利用して、 対象物に含まれる水分を測定する計測器です。

赤外線を利用して水分を測定する

水には、特定の波長の赤外線を吸収しやすい性質があります。 赤外線水分計では、この性質を利用して、 対象物から得られる光学的な情報の変化を測定します。

対象物に接触せずに測定できる

赤外線を対象物へ照射し、反射して戻ってくる光などを利用する方式では、 センサを対象物へ直接接触させずに測定できます。

そのため、接触によって対象物へ影響を与えたくない場合や、 製造ライン上を移動している対象を測定したい場合に利用できます。

水分測定方法の一つとして位置づけられる

水分測定には、加熱乾燥法、カールフィッシャー法、 電気的な性質を利用する方法など、さまざまな方式があります。 赤外線水分計は、その中で光・電磁波との相互作用を利用する方式の一つです。

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赤外線で水分を測れるのはなぜ?

赤外線水分測定の基本は、 水が特定の波長の赤外線を吸収する性質を利用することです。

水には吸収しやすい赤外線の波長がある

赤外線にはさまざまな波長があります。 水はすべての波長を同じように吸収するのではなく、 波長によって吸収のされ方が異なります。

そのため、水による影響が現れやすい波長を利用することで、 対象物に含まれる水分に関する情報を得ることができます。

水分量によって光学的な応答が変化する

対象物に含まれる水分量が変わると、 水による赤外線の吸収の程度も変化します。 その結果、検出される光の強さなどの光学的な情報にも変化が現れます。

測定波長と比較波長を利用する方式がある

実際の測定では、水分による影響を受けやすい波長だけを見るのではなく、 比較のための波長などを組み合わせて、 水分に関係する変化を捉える方式があります。

これにより、光量そのものの変化などと区別しながら、 水分に関係する光学的な情報を取り出します。

赤外線そのものの性質や、 放射・吸収・反射・透過が計測にどう利用されるかについては、 「赤外線計測とは?」で詳しく解説しています。

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光の測定値から水分値をどう求める?

赤外線水分計が検出する光学的な情報と、 実際に知りたい水分値は同じものではありません。 両者の関係をあらかじめ確認する必要があります。

光学信号そのものは含水率ではない

センサが直接検出するのは、 赤外線の強さや波長ごとの光学的な応答です。 この信号自体が、そのまま「水分5%」などを意味するわけではありません。

基準となる方法で実際の水分値を求める

まず、測定対象について、 加熱乾燥法など目的に応じた基準となる方法で水分値を求めます。

光学信号と基準値の関係を求める

水分量の異なる複数の試料について、 赤外線による光学的な測定値と基準となる水分値を対応させます。

これによって、 光学的な測定値が変化したときに、 水分値がどのように変化するのかという関係を確認します。

検量線を使って水分値へ換算する

光学的な測定値と実際の水分値との関係を 数式やグラフなどで表したものを「検量線」と呼びます。

実際の測定では、 センサから得られた光学的な情報をこの関係に当てはめることで、 水分値として換算します。

検量線は対象物に依存します。 材料や品種、配合などが変わる場合には、 同じ関係をそのまま利用できるか確認する必要があります。

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赤外線水分計は対象物の何を見ている?

赤外線水分計を正しく理解するには、 センサが対象物全体を直接測っているわけではないことを意識する必要があります。

赤外線と対象物が相互作用した光を捉える

赤外線水分計では、 対象物へ照射した赤外線が吸収・反射などした結果として得られる 光学的な情報を検出します。

測定している部分と対象物全体は同じとは限らない

センサが得る情報は、実際に赤外線が照射され、 検出される範囲の状態を反映します。 そのため、その測定部分が対象物全体の状態を どの程度代表しているのかを考える必要があります。

対象物の均一性が重要になる

対象物の場所によって水分、粒径、密度、表面状態などが大きく異なる場合、 測定位置によって得られる値が変化することがあります。

製造工程へ設置する場合は、 測定しやすさだけでなく、 工程を代表する情報を得られる位置かどうかを確認することが重要です。

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赤外線水分測定に影響するもの

赤外線水分計では、水分以外の条件によっても 得られる光学的な情報が変化する場合があります。

影響する要因 確認すること
材質・組成 材料や配合の違いによって赤外線との相互作用が変わらないか
表面状態 表面の粗さ、光沢、凹凸などが大きく変化しないか
粒径・密度 粉粒体などで状態の変化が光学的な応答へ影響しないか
厚さ 対象物の厚さや量の変化が測定へ影響しないか
温度 対象物の温度変化が測定値へ影響しないか
測定距離・位置 センサと対象物の位置関係が安定しているか
品種・配合 製品切り替えによって検量線などの条件確認が必要にならないか

水分値だけが変化しているとは限らないため、 測定値が変化したときには、 対象物や工程条件の変化も合わせて確認することが重要です。

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赤外線水分計が製造ラインで利用される理由

赤外線水分計には、 非接触で短時間に測定できるという特徴を生かして、 製造工程で水分を継続的に測定できる方式があります。

対象物に接触せずに測定できる

対象物へセンサを直接接触させないため、 紙、シート、食品、粉粒体など、 移動している対象の測定に利用できます。

移動する対象を測定できる

製造ラインを流れる対象を測定できれば、 サンプルを取り出して測定するだけでは得にくい、 工程中の水分変化を把握できます。

連続的にデータを取得できる

水分値を継続して取得することで、 時間による変化やばらつきを確認できます。

測定値を記録・監視に利用できる

水分値を記録したり、工程条件と合わせて監視したりすることで、 工程状態の把握や振り返りに利用できます。

オンライン測定と抜き取り測定の役割、 測定位置や工程管理への利用については、 「製造工程での水分測定」で詳しく解説しています。

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赤外線水分計を導入するときに確認すること

赤外線水分計を検討するときは、 「非接触で測れるか」だけでなく、 測定対象や工程条件まで整理することが重要です。

何を測定するのか

材料の種類、形状、状態、組成などを確認します。 同じ水分値でも対象物が異なれば、 得られる光学的な情報が同じとは限りません。

どの程度の水分範囲を測るのか

想定する水分範囲を確認し、 その範囲で水分と光学信号との関係を評価します。

基準となる水分値をどう求めるのか

検量線を作成・確認するためには、 比較の基準となる水分値が必要です。 対象物に適した基準測定方法を確認します。

品種や組成は変化するか

品種、配合、原材料などが変化する場合は、 その違いが光学的な測定値や検量線へ影響するかを確認します。

どこに設置するのか

センサと対象物との距離、 対象物の動き、測定位置の代表性、 周囲環境などを考慮して設置位置を検討します。

測定値を何に利用するのか

品質確認、記録、監視、工程条件の確認など、 測定値の利用目的を明確にします。 利用目的によって必要な測定精度やシステム構成も変わります。

FAQ

赤外線水分計についてよくある質問

赤外線水分計ならどんな物質でも測れますか?

すべての物質を同じ条件で測定できるわけではありません。 対象物の赤外線吸収特性、材質、組成、表面状態などによって 測定への適性や必要な条件が異なります。

加熱乾燥法と赤外線水分計で値が違うことがあるのはなぜですか?

両者は測定原理が異なります。 また、サンプリング位置、対象物のばらつき、 測定条件、検量線などの違いによっても値に差が生じることがあります。

品種が変わっても同じ検量線を使えますか?

品種や組成が変わると、 赤外線との相互作用も変化する場合があります。 同じ検量線を利用できるかは、実際の基準値との関係を確認して判断します。

赤外線水分計だけで基準となる水分値を決められますか?

赤外線水分計は、光学的な測定値と基準となる水分値との関係を利用して 水分値を求める方式です。 そのため、検量線の作成や確認には、 対象物に適した基準となる水分測定が必要になります。

オンライン測定にすれば抜き取り測定は不要ですか?

必ずしも不要ではありません。 オンライン測定は工程中の変化を連続して把握するために利用でき、 抜き取り測定は基準となる水分値の確認などに利用できます。 目的に応じて組み合わせます。

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水分測定方法を比較する

加熱乾燥法、カールフィッシャー法、電気式、赤外線吸収式など、 水分測定方法全体の違いを確認できます。

水分の基礎を確認する

水分とは何か、含水率、湿度との違いなど、 水分そのものの基礎から確認できます。

赤外線を利用した水分測定について

赤外線水分測定では、 測定対象、水分範囲、基準となる水分値、品種・組成、 設置条件などを確認したうえで測定方法を検討することが重要です。

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