Chapter 1

食中毒対策で温度管理が重要な理由

食中毒の原因となる細菌やウイルスは、 食品に付着することで食中毒を引き起こすことがあります。 厚生労働省は、細菌性食中毒の予防について 「つけない」「増やさない」「やっつける」という 3つの原則を示しています。

温度管理は、このうち特に 食品中で細菌を「増やさない」ことや、 加熱によって「やっつける」ことに関係します。 冷蔵・冷凍が必要な食品を適切に保管すること、 加熱が必要な食品を十分に加熱すること、 調理後の食品を適切に冷却・保管することなどが重要です。

つけない

手洗い、器具の洗浄・消毒、 食品への二次汚染防止など、 食品に病原微生物を付着させない衛生管理です。

増やさない

冷蔵・冷凍や適切な保管などによって、 食品中で細菌が増殖しにくい状態を保ちます。

やっつける

加熱などによって、 食品中の病原微生物を減らすための管理です。

食中毒対策は温度管理だけで完結するものではありません。 手洗い、洗浄、消毒、交差汚染の防止などを含めた 衛生管理全体で考えることが重要です。

厚生労働省「食中毒」

Chapter 2

食品現場で温度確認が必要な工程

食品の温度管理は、 調理中だけでなく、 食材の受入から保管、加熱、冷却、 提供・陳列までの流れ全体で考えることが大切です。

工程 温度確認の目的 温度計の例 確認時のポイント
食材の受入 納品時の温度状態を確認する 放射温度計、中心温度計 表面温度をすばやく確認し、必要に応じて内部温度も確認します。
冷蔵・冷凍保管 保管中の温度変化を把握する 温度計、温度ロガー、記録計 扉の開閉や霜取り運転などによる温度変化にも注意します。
下処理・仕込み 作業中の温度上昇を確認する 放射温度計、中心温度計 作業時間が長くなる場合は、食品温度の変化を確認します。
加熱調理 食品内部の温度を確認する 中心温度計 表面だけではなく、必要な箇所の内部温度を確認します。
冷却 冷却状態を確認する 中心温度計、温度ロガー 大量調理後などは、冷却工程を適切に管理します。
提供・陳列 提供中・販売中の温度状態を確認する 放射温度計、中心温度計 ショーケースや保温設備などの温度ムラにも注意します。

具体的な管理温度、確認頻度、測定箇所は、 食品の種類、工程、施設の衛生管理計画、 業種別の手引書などに応じて設定してください。

Chapter 3

放射温度計と中心温度計の使い分け

食品現場の温度確認では、 「食品のどこを測りたいか」を最初に考えることが重要です。 表面温度と内部温度は同じとは限らないため、 測定目的に適した温度計を選びます。

温度計の種類 向いている確認 メリット 注意点
放射温度計 食品表面、包装、容器、設備、売り場など 非接触で素早く確認しやすい 食品内部の温度は測定できません。 放射率や測定距離にも注意します。
中心温度計 加熱後の食品内部、冷却中の食品内部など 食品内部の温度を直接確認できます。 食品に接触するため、 使用前後の洗浄・消毒など衛生管理が必要です。

表面温度をすばやく確認

食材の受入、包装、容器、 ショーケースなどの表面状態を確認する場合は、 放射温度計が候補になります。

食品内部を確認

加熱後の食品や冷却中の食品など、 内部の温度を確認したい場合は、 中心温度計を使用します。

放射温度計だけで食品内部の温度管理はできません。 表面温度の確認と内部温度の確認は目的が異なるため、 必要に応じて中心温度計を併用します。

放射温度計の仕組みや、 放射率・測定距離などについては、 失敗しない放射温度計ガイド も参照してください。

Chapter 4

温度確認と記録管理は、衛生管理の見直しにも役立つ

食品現場では、温度を測るだけでなく、 必要な工程について結果を記録として残すことも重要です。

温度記録があれば、 日々の管理状態を確認しやすくなり、 温度逸脱などが発生した場合の原因確認や 管理方法の見直しに活用できます。

HACCPに沿った衛生管理では、 衛生管理計画に基づいて衛生管理を実施し、 実施状況を記録・保存するとともに、 定期的に検証・見直しを行うことが求められています。

記録項目 内容の例 活用目的
測定日時 日付、時刻、担当者 いつ、誰が確認したかを把握する
測定場所・工程 受入、冷蔵庫、加熱工程、売り場など どの工程を管理したか確認する
測定対象 食材、調理済み食品、保管庫、ショーケースなど 確認対象を追跡できるようにする
測定温度 測定値、管理基準からの逸脱有無 管理状態を確認する
対応内容 再加熱、冷却、廃棄、設備確認など 異常時の対応を振り返る

温度記録の項目や保存方法は、 食品事業者の衛生管理計画や業種・施設の運用に応じて設定してください。

厚生労働省「HACCP(ハサップ)」

Chapter 5

食品現場で温度計を選ぶときのポイント

食品現場で使う温度計は、 温度範囲や精度だけでなく、 測定対象、衛生面、使用環境、 記録方法なども含めて選ぶことが重要です。

1. 何を測るか

食品表面、食品内部、保管庫、 ショーケースなど、 測定対象を明確にします。

2. どの工程で使うか

受入、保管、加熱、冷却、 提供・陳列など、 使用場面に応じて方式を選びます。

3. 衛生的に使えるか

食品に接触する温度計では、 洗浄・消毒のしやすさ、 防水性、材質などを確認します。

4. 記録できるか

手書きで記録するのか、 データとして保存・活用するのかを整理します。

5. 使用条件に合っているか

温度範囲、測定対象、 使用環境、測定頻度などを確認します。

6. 食品接触用途の条件

食品に直接接触させる場合は、 対象製品、接触部位、材質、 使用条件などを確認します。

Chapter 6

食品現場の温度確認に活用できるチノーの温度計

チノーでは、 食品現場の温度確認に活用できる温度計を取り扱っています。 表面温度をすばやく確認したい場面、 食品内部の温度を確認したい場面など、 用途に応じて選択できます。

防水形ハンディ放射温度計 IR-TB

食品や包装、容器、設備、売り場などの 表面温度を非接触で確認したい場面に適しています。 Bluetooth Low Energyにも対応しています。

  • 食材受入時の表面温度確認
  • ショーケースや売り場の温度確認
  • 包装・容器・設備表面の温度確認
  • 非接触で素早く測定したい場面

IR-TBの製品ページを見る

防水形中心温度計 MF500B

食品内部の温度確認に活用できる中心温度計です。 加熱後の中心温度確認や、 冷却工程での内部温度確認などに使用できます。 Bluetooth Low Energyにも対応しています。

  • 加熱調理後の中心温度確認
  • 大量調理後の冷却状態の確認
  • 厚みのある食品・食材の内部温度確認
  • 測定値を記録管理に活用したい場面

MF500Bの製品ページを見る

食品用途で使用する際の確認事項

食品に直接接触する用途で使用する場合は、 対象製品、接触部位、材質、使用条件などを確認してください。 用途や条件によって適用可否が異なるため、 詳細はチノーへご確認ください。

食品用途での使用条件については、 日本国内向けを前提としています。 海外での食品用途については別途ご確認ください。

FAQ

食品の温度管理・温度計についてよくある質問

Q. 食中毒対策で温度管理が重要なのはなぜですか?

食品の受入、保管、加熱、冷却、提供などの工程で 適切に温度を確認することは、 食品の衛生管理を行ううえで重要です。 温度を測定・記録することで、 管理状態の確認や異常時の振り返りにも役立ちます。

Q. 放射温度計だけで食品の安全確認はできますか?

放射温度計は食品の表面温度をすばやく確認するのに便利ですが、 食品内部の温度は測定できません。 加熱調理後や冷却中の食品内部を確認する場合は、 中心温度計などを使用します。

Q. 中心温度計はどのような場面で使いますか?

加熱調理後の食品内部や、 大量調理後の冷却中など、 食品の内部温度を確認したい場面で使用します。

Q. HACCPでは温度記録が必要ですか?

HACCPに沿った衛生管理では、 衛生管理計画に基づく実施状況を記録・保存し、 定期的に検証・見直すことが求められています。 温度管理が重要な工程では、 温度確認と記録を管理方法の一つとして組み込むことがあります。

厚生労働省「HACCP(ハサップ)」

Q. 食品現場ではどの温度計を選べばよいですか?

表面温度をすばやく確認したい場合は放射温度計、 食品内部の温度を確認したい場合は中心温度計、 保管庫などの温度変化を継続的に確認したい場合は 温度ロガーや記録計が候補になります。 用途に応じて使い分けることが重要です。

Q. 食品に接触する用途で使う場合、何を確認すればよいですか?

食品に直接接触する用途では、 対象製品、接触部位、材質、使用条件などの確認が重要です。 製品ごとの適用条件については、 最新の仕様を確認してください。

まとめ

食中毒対策には、工程に応じた温度確認が重要

食品現場の温度管理では、 食材の受入、保管、加熱、冷却、 提供・陳列など、 工程ごとに確認すべきポイントがあります。

温度計も一種類ですべてに対応するのではなく、 表面温度を確認したい場合は放射温度計、 食品内部の温度を確認したい場合は中心温度計、 保管中の温度変化を継続的に確認したい場合は 温度ロガーや記録計など、 用途に応じて使い分けることが重要です。

  • 工程を確認: 受入・保管・加熱・冷却・提供など、どこで温度管理が必要か整理する
  • 測定箇所を確認: 表面なのか内部なのかを明確にする
  • 温度計を選ぶ: 放射温度計、中心温度計、ロガーなどを用途に応じて使い分ける
  • 記録方法を確認: 必要な測定結果を、現場で無理なく記録できる方法を決める
  • 衛生管理全体で考える: 温度管理だけでなく、洗浄・消毒などを含めた衛生管理を行う

温度管理の具体的な方法や使用する機器は、 食品の種類、工程、施設の衛生管理計画などによって異なります。 必要な条件を整理したうえで、 適した温度計測方法を検討することが大切です。

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表面温度、中心温度、保管温度など、 どの工程で何を測るかを整理したうえで、 用途に合った温度計を検討できます。

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Reference

食品の衛生管理についてさらに詳しく

食品衛生やHACCPについては、 厚生労働省などの最新の公的情報も確認してください。

※外部サイトへ移動します。 食品衛生に関する基準・指針・手引書等は最新情報をご確認ください。

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