Chapter 1
超伝導を活用したシリコン単結晶引上げと極低温監視
シリコン単結晶の引上げでは、 単結晶の品質を安定させるためにさまざまな技術が用いられています。 元ページでは、超伝導マグネットの磁力線を利用して熱対流を制限し、 ウェーハの酸素濃度増加や結晶欠陥増加などの品質低下を抑える方法が紹介されています。
このような装置では、超伝導を成立させるための低温環境を適切に管理する必要があります。 そのため、低温域を安定して測定できる温度センサが重要になります。
本ページでは、超伝導技術そのものではなく、 その周辺で使用される極低温用測温抵抗体R800-6・R800-7に焦点を当てます。
Chapter 2
R800-6・R800-7の特長
R800-6・R800-7は、 感温エレメントに白金・コバルト希薄合金を採用した極低温用測温抵抗体です。 極低温領域から常温域まで1本のセンサで測定できることが大きな特長です。
Wide range
極低温から常温まで測定
R800-6は4K~375K、 R800-7は15K~375Kに対応します。 使用する温度域に合わせて型式を選択できます。
Accuracy
高精度な温度測定
全測定範囲で±0.5の許容差を持ち、 精密な温度測定に対応します。
Structure
小さな熱容量と堅牢性
極細金属カプセル形で、 熱容量が小さく安定性に優れた構造です。
4-wire
4導線による精密測定
4導線式を採用し、 直流電位差計などを使用した精密測定に対応します。
Calibration
組み合わせ校正に対応
専用の指示計、記録計、調節計が用意され、 He点において計器との組み合わせ校正が可能です。
Construction
極低温用途を考慮した構造
スパイラルコイル式のアルミナセラミック構造と、 カプセル形保護構造を採用しています。
Chapter 3
R800-6とR800-7はどう選ぶ?
基本的な選定ポイントは、必要な最低測定温度です。 4K付近まで測定する必要がある場合はR800-6、 15Kからの測定でよい場合はR800-7を検討できます。
| 型式 | 測定温度 | 選定の目安 |
|---|---|---|
| R800-6 | 4K~375K | 4K付近まで測定したい場合 |
| R800-7 | 15K~375K | 15K以上を主な測定範囲とする場合 |
実際の選定では、必要温度範囲だけでなく、 取り付け条件、使用する計器、測定方法、校正方法なども確認することをおすすめします。
Chapter 4
R800-6・R800-7の仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 感温エレメント | 白金・コバルト希薄合金 |
| 測定温度 |
R800-6:4K~375K R800-7:15K~375K |
| 0℃の抵抗値 | 100Ω±0.15Ω |
| 許容差 | ±0.5 |
| 規定電流 | 1mA DC |
| 感度 | Min 0.09Ω/K(at 12K)~Max. 0.40Ω/K |
| 再現性 | 10mK以内 |
| 感温部構造 | スパイラルコイル式・アルミナセラミック構造 |
| 保護管 | カプセル形金メッキ付黄銅 φ2×23mm |
| リード線 | 4導線式ポリエステル被覆銅導線 φ0.2×L1000mm |
詳細仕様や最新の資料については、 R800-6・R800-7の製品情報 をご確認ください。
Chapter 5
精密測定と校正をどう考えるか
極低温域では、わずかな温度変化を正確に測ることが求められる場合があります。 R800-6・R800-7は4導線式を採用しており、 直流電位差計などによる精密測定に対応します。
測定器との組み合わせ
R800-6・R800-7には専用の指示計、記録計、調節計が用意されています。 センサ単体だけでなく、測定器まで含めて構成を検討できます。
He点での組み合わせ校正
He点において、センサと計器を組み合わせた校正が可能です。 極低温域で使用する測定系では、センサだけでなく、 測定に使用する計器や校正方法まで含めて検討することが重要です。
校正の基本的な考え方については、 校正とは? をご覧ください。