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Pt100、JPt100、3線式、自己発熱、熱電対、校正など、 知りたい言葉で記事内の該当箇所を探せます。
測温抵抗体を理解するためにまず押さえたい要点
測温抵抗体は、温度による電気抵抗の変化を利用する温度センサです。 工業用ではPt100が代表的で、リード線抵抗の影響を抑えるための3線式など、 熱電対とは異なる温度計測上の特徴があります。
- 測定原理: 金属の電気抵抗が温度によって変化する性質を利用します。
- Pt100: 0℃における公称抵抗値が100Ωの白金測温抵抗体です。
- 3線式: リード線抵抗が測定値へ与える影響を抑えるため、 工業用で広く使われています。
- 自己発熱: 抵抗値を測るための電流によって、 センサ自身がわずかに発熱する場合があります。
- 選定: 温度範囲、必要精度、配線方式、構造、使用環境、 接続する測定器などを確認します。
- 測定値の信頼性: センサだけでなく、設置、配線、測定器を含めて考えます。
1. 測温抵抗体(RTD)とは?温度を測る仕組み
測温抵抗体(RTD:Resistance Temperature Detector)は、 温度によって金属の電気抵抗が変化する性質を利用して 温度を測る接触式の温度センサです。
温度が変わると電気抵抗も変わる
金属には、温度が変化すると電気抵抗も変化する性質があります。 測温抵抗体では、この抵抗値を測定し、 抵抗値と温度との関係から温度を求めます。
温度が変化する → 金属の抵抗値が変化する → 抵抗値を測定する → 温度へ換算する
温度そのものを直接読み取っているわけではない
測温抵抗体は、温度そのものを直接読み取るのではなく、 温度と関係して変化する「電気抵抗」を測定しています。
これは、異なる金属の組み合わせによって生じる 熱起電力を利用する熱電対とは異なる測定原理です。
なぜ白金が使われる?
工業用の測温抵抗体では、 白金を使用した白金測温抵抗体が代表的です。
白金測温抵抗体は、 抵抗値と温度との関係を規格に基づいて扱うことができ、 工業用温度計測で広く利用されています。
2. Pt100とは?JPt100との違いも確認
白金測温抵抗体について調べると、 「Pt100」という名称をよく目にします。 Pt100は、工業用温度計測で広く使われている代表的な白金測温抵抗体です。
Pt100の「100」は何を意味する?
Pt100の「100」は、 0℃における公称抵抗値が100Ω であることを表しています。
Pt = Platinum(白金)
100 = 0℃における公称抵抗値100Ω
「100℃で100Ω」という意味ではありません。 温度が変化すると抵抗値も変化し、 その関係を利用して温度を求めます。
Pt100とJPt100は同じではない
既設設備や古い仕様書では、 「JPt100」という表記を見かけることがあります。
Pt100とJPt100は名称が似ていますが、 抵抗値と温度との関係が同じではありません。 そのため、既設のJPt100を更新するときは、 センサだけでなく接続する表示器、記録計、調節計などの 入力設定も確認する必要があります。
既設設備では、 「100Ωだから同じ」と判断せず、 センサの種類と測定器側の入力設定を確認してください。
Pt500やPt1000などもある
白金測温抵抗体には、 Pt100以外の公称抵抗値を持つものもあります。
ただし、CHINOの工業用温度センサではPt100が中心です。 Pt500やPt1000などを使用する場合は、 使用するセンサと接続機器の対応を確認します。
クラスA・クラスBとは?
白金測温抵抗体には、 規格に基づいた許容差の区分があります。 クラスA、クラスBなどは、その代表的な区分です。
ただし、クラスはセンサそのものの許容差に関するものであり、 実際の温度計測全体の精度と同じではありません。
センサの許容差に加えて、 配線、測定器、設置条件なども測定値へ影響します。
3. 2線式・3線式・4線式は何が違う?
測温抵抗体には、 2線式、3線式、4線式と呼ばれる接続方式があります。
「温度センサなのに、なぜ3本や4本の線が必要なのか」 と疑問に思うかもしれません。 その理由を理解する鍵が、 リード線にも電気抵抗があることです。
リード線の抵抗も測定値に含まれる
測温抵抗体では、センサの抵抗値を測定して温度を求めます。 しかし、センサと測定器をつなぐリード線にも抵抗があります。
測定器から見える抵抗 = 測温抵抗体の抵抗 + リード線などの影響
この影響をどのように扱うかによって、 2線式、3線式、4線式という接続方式があります。
| 方式 | 考え方 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 2線式 | 2本のリード線で抵抗値を測定します。 | 構成はシンプルですが、リード線抵抗の影響を受けやすくなります。 |
| 3線式 | 3本のリード線を使って、リード線抵抗の影響を補償しやすくします。 | 工業用温度計測で広く使われています。 |
| 4線式 | 電流を流す線と電圧を測る線を分けて抵抗を測定します。 | リード線抵抗の影響をより小さくした精密な測定に利用されます。 |
3線式は工業用で広く使われる
3線式では、 リード線抵抗の影響を抑えるように測定できるため、 工業用のPt100で広く利用されています。
ただし、 「3線式ならリード線抵抗の影響が完全になくなる」 という意味ではありません。 リード線の状態や測定器側の方式なども関係します。
4線式はより精密な抵抗測定に利用される
4線式では、 測定電流を流すための線と、 電圧を測定するための線を分けます。
これにより、 リード線抵抗の影響をより小さくして センサの抵抗値を測定できます。
どの線式を選ぶ?
線の本数だけで優劣を決めるのではなく、 必要精度、配線距離、接続する測定器、 施工性などを含めて選びます。
4. 測温抵抗体にはどんな種類・構造がある?
「Pt100」は感温素子の特性を表す名称であり、 実際の温度センサの形状や構造が一種類という意味ではありません。
同じPt100を使用する測温抵抗体でも、 何を、どこで、どのように測るかによって センサの構造は変わります。
シース形
金属シース内に感温部などを収めた構造です。 装置や配管など、さまざまな工業用途で利用されます。
一般工業用
配管、槽、設備などへ取り付けて使用する、 工業用温度計測の基本的な構造です。
表面温度用
配管や装置、部材などの表面温度を測るため、 測定面との熱的な接触を考慮した構造です。
気体用
空気や気体の温度変化を捉えやすいよう、 感温部の構造などを考慮します。
用途別構造
食品、医薬、化学、低温環境など、 測定対象や使用環境に応じた構造があります。
「Pt100を選ぶ」だけでは温度センサの選定は完了しません。 測定対象、取り付け方法、環境、応答性などから センサ全体の構造を考える必要があります。
5. 測温抵抗体の「自己発熱」とは?
測温抵抗体では、 抵抗値を測定するためにセンサへ電流を流します。
そのため、 温度を測るための電流によって センサ自身がわずかに発熱する場合があります。 これを自己発熱と呼びます。
測るための電流がセンサを温める
測定電流を流す → 抵抗値を測る → 抵抗体で熱が発生する → 条件によって測定値へ影響する
自己発熱によって感温部の温度が 本来測りたい対象温度より高くなると、 測定誤差の原因になります。
自己発熱の影響は条件によって変わる
自己発熱の影響は、 測定電流だけで決まるわけではありません。
- 測定電流
- センサの構造や寸法
- 測定対象との熱的な接触
- 周囲への熱の逃げやすさ
- 気体・液体・固体など測定対象の違い
規定電流も確認する
測温抵抗体の仕様には、 規定電流が示されている場合があります。
規定電流は単なる電気的な仕様ではなく、 抵抗値の測定と自己発熱との関係を考えるうえでも 確認したい項目です。
6. 測温抵抗体と熱電対はどう使い分ける?
測温抵抗体と熱電対は、 どちらも工業用温度計測で広く利用される接触式温度センサです。
ただし、測定原理が異なるため、 得意な温度範囲、精度、応答性、 配線や使用環境などの考え方も異なります。
| 項目 | 測温抵抗体 | 熱電対 |
|---|---|---|
| 測定原理 | 温度による電気抵抗の変化 | 温度差によって生じる熱起電力 |
| 代表例 | Pt100 | K、J、T、R、S、Bなど |
| 特徴 | 比較的高精度で安定性を重視する測定で候補になります。 | 広い温度範囲や高温測定などで候補になります。 |
| 配線で確認すること | 2線式・3線式・4線式、リード抵抗、測定電流 | 熱電対の種類、極性、補償導線、冷接点補償 |
| 主な注意点 | リード抵抗、自己発熱、設置、使用環境 | 劣化、ドリフト、補償導線、冷接点補償、使用雰囲気 |
測温抵抗体が候補になりやすい場合
使用する温度範囲の中で、 比較的高い測定精度や安定性を重視する場合には、 測温抵抗体が候補になります。
熱電対が候補になりやすい場合
高温域を含む広い温度範囲や、 用途に応じてさまざまな種類・構造から選びたい場合には、 熱電対が候補になります。
どちらが優れているかではなく条件で選ぶ
「熱電対より測温抵抗体の方が高精度」 「高温なら必ず熱電対」 と単純に決めるのではなく、 測定対象、温度範囲、必要精度、応答性、 使用環境、設置、保守などを合わせて判断します。
熱電対について詳しく知る
温度センサ全体から選ぶ
7. 測温抵抗体を正しく使うためのポイント
測温抵抗体は、 適切なPt100を選べば自動的に正しい温度を測れるわけではありません。
測定位置、取り付け、配線、 接続する測定器、使用環境などを含めて考える必要があります。
| 確認項目 | 確認すること |
|---|---|
| 測定対象 | 何の温度を知りたいのかを明確にします。 |
| 測定位置 | 目的の温度を代表する位置を測れているか確認します。 |
| 取り付け | 挿入状態や対象との熱的な接触が適切か確認します。 |
| 配線 | 線式、配線距離、接続状態、ノイズなどを確認します。 |
| 測定器 | Pt100・JPt100などの入力設定や線式が合っているか確認します。 |
| 使用環境 | 振動、湿気、腐食、圧力、熱サイクルなどを確認します。 |
センサだけでなく「測定系」で考える
測温抵抗体の測定値は、 感温素子だけで決まるものではありません。
センサ、配線、測定器、設置状態などを含めて 一つの測定系として考えることが重要です。
8. 測温抵抗体はどう選ぶ?
測温抵抗体を選ぶときは、 「Pt100であれば何でも同じ」と考えず、 実際の測定条件を整理します。
| 選定項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 測定対象 | 気体、液体、固体、配管、槽、表面など。 |
| 温度範囲 | 通常温度、最高・最低温度、温度変化。 |
| 必要精度 | 工程管理、品質管理、試験などに必要な精度。 |
| 素子 | Pt100を中心に、既設設備ではJPt100なども確認します。 |
| 配線方式 | 2線式、3線式、4線式と接続機器の対応。 |
| 構造・寸法 | シース、保護管、外径、長さ、挿入長など。 |
| 取り付け | ねじ、フランジ、ニップルなど設備との接続方法。 |
| 使用環境 | 振動、湿気、腐食、圧力など。 |
| 接続機器 | 表示器、記録計、調節計、変換器など。 |
| 保守 | 交換、点検、校正の方法や頻度。 |
「Pt100を選ぶ」だけでは選定は完了しない
測温抵抗体は、素子、線式、構造、寸法、 取り付け、環境、測定器を組み合わせて 一つの温度計測システムになります。
9. 測温抵抗体の測定値をどう信頼する?
測温抵抗体が温度を表示していることと、 その値を必要な精度で信頼して使えることは同じではありません。
点検で状態を確認する
日常・定期点検では、 外観、配線、取り付け状態、 異常値、過去の測定傾向などを確認します。
湿気や結露による絶縁低下、 振動による配線・感温部への影響なども確認したい項目です。
校正で基準との差を確認する
測定値の信頼性が求められる用途では、 測温抵抗体の示す値を基準となる値と比較し、 その差を確認します。
これが校正です。
校正されていることと、 現場で本当に知りたい温度を正しく測れていることは同じではありません。 校正に加えて、測定位置、取り付け、配線、測定器なども確認します。
校正について詳しく知る
測温抵抗体についてよくあるご質問
Pt100、JPt100、3線式、自己発熱、 熱電対との違いなど、 測温抵抗体でよく確認される内容をまとめます。
FAQ本文
Q. Pt100とは何ですか?
白金を使った測温抵抗体で、 0℃における公称抵抗値が100Ωのものです。 工業用の測温抵抗体として広く利用されています。
Q. JPt100とPt100は同じですか?
同じではありません。 抵抗値と温度との関係が異なるため、 既設設備の更新時にはセンサと接続機器の仕様を確認する必要があります。
Q. なぜPt100では3線式が使われるのですか?
センサと測定器をつなぐリード線にも抵抗があるためです。 3線式では、リード線抵抗が測定値へ与える影響を 抑えるように測定できます。
Q. 4線式は何のために使いますか?
測定電流を流す線と電圧を測る線を分けることで、 リード線抵抗の影響をより小さくして 抵抗値を測定するために使われます。
Q. Pt1000とは何ですか?
0℃における公称抵抗値が1000Ωの白金測温抵抗体です。 白金測温抵抗体には複数の公称抵抗値がありますが、 CHINOの工業用温度センサではPt100が中心です。 使用する場合は接続機器の対応を確認します。
Q. 測温抵抗体の自己発熱とは何ですか?
抵抗値を測定するための電流によって、 抵抗体自身がわずかに発熱する現象です。 測定電流、センサ構造、測定対象との熱的な接触などによって 測定値への影響が変わります。
Q. 測温抵抗体と熱電対はどう使い分けますか?
温度範囲、必要精度、応答性、使用環境、 配線、設置条件などから判断します。 どちらかが常に優れているわけではありません。
Q. 測温抵抗体は高温でも使えますか?
使用できる温度範囲は、 感温素子だけでなくセンサの構造や材質によって異なります。 高温域では熱電対が候補になる場合もあるため、 実際の使用温度と環境から選定します。
Q. 測温抵抗体も校正できますか?
できます。 品質管理、研究開発、監査対応などで 測定値の信頼性が求められる場合には、 使用条件や管理基準に応じて点検・校正を行います。
Next
測温抵抗体について、次に知りたいこと
測温抵抗体の基本を理解したら、 温度センサ全体の選び方、取り付け、 熱電対との違い、校正へ進むと、 温度計測の全体像を理解しやすくなります。
参考情報
- 測温抵抗体の使用温度、許容差、規定電流、 構造、材質、寸法などは製品によって異なります。 実際の選定時は最新の仕様書、カタログ、取扱説明書をご確認ください。
- 温度センサ 総合カタログ
- 温度センサの製品知識
- 温度センサ FAQ