データインテグリティ

 

データインテグリティとは

データ改ざん、データ偽装などデータをめぐる不適切な行為が世界的に発生しています。製薬業界においても同様な問題を抱え、米国食品医薬品局(FDA)よりデータインテグリティに関する指摘をした警告書 (Warning Letter)の発出数は増加し続けています。医薬品の品質、そして安全性、有効性の根拠となるデータの完全性と正確性を保証できないならば、企業の品質システムは不十分であることになってしまい、品質問題を引き起こし、大きなダメージを受けることになるかもしれません。
データインテグリティ(Data Integrity)を直訳しますと、データ完全性という意味になります。米国食品医薬品局(FDA)ではデータが完全で一貫性があり正確であることと定義します。データの不正防止または不正を疑われるような行為(例えば、良い試験データだけを残し、不適な試験データを削除する等)の防止がデータインテグリティの本質です。
データインテグリティは新たな要求事項ではなく、従来の各要求事項の中で、データの完全性、正確性に対するリスクを再確認し、適切なデータ管理システムの構築を求めるものだと考えられます。


データインテグリティに関する規制

2015年3月にイギリス医薬品庁(MHRA)からデータインテグリティに関するガイダンスが発行されたことに端を発し、FDA、WHO、PIC/S、ISPE(国際製薬技術協会)からも関連のガイダンスが発行されています。

表1:各国の規制当局や団体からのデータインテグリティガイダンス(2017年11月現在)

発行日発行者規制名称
2015年3月MHRAMHRA GMP Data Integrity Definitions and Guidance for Industry (正式版)
2015年9月 WHO Guidance on good data and record management practices(ドラフト版)
2016年4月 FDA Data Integrity and Compliance With CGMP Guidance for Industry(ドラフト版)
2016年5月 WHO Guidance on good data and record management practices(正式版)
2016年7月 MHRA MHRA GxP Data Integrity Definitions and Guidance for Industry(ドラフト版)
2016年8月 PIC/S GOOD PRACTICES FOR DATA MANAGEMENT AND INTEGRITY IN REGULATED GMP/GDP ENVIRONMENTS(ドラフト版)
2017年3月 ISPE GAMP Records and Data Integrity Guide(正式版)


データインテグリティの原則

データインテグリティの基本原則であるAttributable(帰属性)、Legible(判読性)、Contemporaneous(同時性)、Original(オリジナル性)、Accurate(正確性)の頭文字をとってALCOA(アルコア)といいます。「ALCOA」原則は、MHRA、WHO、FDA、PIC/Sの各データインテグリティガイダンスに採用されています。上記の5項目にComplete(完璧性)、Consistent(一貫性)、Enduring(永続性)、Available(可用性)が追加された「ALCOAプラス」がデータインテグリティの原則として説明されることもあります。

表2:「ALCOAプラス」原則

Attributable(帰属性) データを観測、記録、訂正した個人を特定できること。
Legible(判読性) 全ての記録は読み取ることができること。
Contemporaneous
(同時性)
データが生成もしくは観察された時点で記録すること。
Original(オリジナル性) 最初に記録した原本か、原本の内容と意味を維持した真のコピーであること。
Accurate(正確性) 誤りがなく信用できることであること。
Complete(完璧性) 事象を理解しようとする場合、事象の再構築に必要な全ての情報が重要である。 電子的に生成されたデータにおいて、完璧な記録には関連するメタデータが含まれる。
Consistent(一貫性) 文書化規範を全ての工程に適用すること。逸脱工程にも適用すること。
Enduring(永続性) 記録が有効であることを保証するには、記録が必要とされる全期間にわたり、それらを確実に存在させること。
Available(可用性) 記録の維持期間においては、いつでも記録を取り出し閲覧できること。

当社の対応

データインテグリティは電子記録に限定したものではなく、紙ベースのデータや文書等を含めた全てのデータが対象で完全性に加え誠実さも求められており、計測機器にはキャリブレーションが必要になります。当社ではPart11対応可能な無線ロガー、記録計、パッケージソフト等製品を揃えており、バリデーションやキャリブレーションを迅速に実施することもでき、完全かつ正確なデータ作りをトータルで柔軟にサポートします。

対応製品、サービス

1台のパソコンで送信器360台のデータを一元管理、イーサネット上に受信器を最大6台接続でき、各受信器は最大60台の送信器を接続可能
Part11対応のセキュリティ機能を持たせたアプリケーションソフトも用意


入力点数6点、12点のペーパレス記録計
小型ながら多彩な表示と高機能を有し、機器単体または小規模な監視装置として最適
CISASシリーズと組み合わせにより、コンピュータシステムとしての記録計として構築可能


入力点数最大48点 のペーパレス記録計
多彩な表示と高機能を有し、安定性試験機、冷蔵庫、冷凍庫等の機器のデータ管理に最適
CISASシリーズと組み合わせにより、コンピュータシステムとしての記録計として構築可能


Part11に対応した無線ロガーやグラフィックレコーダで集録した計測データを電子記録として一元管理可能
データ閲覧によるグラフ表示、日報・月報・レポートの作成(印刷、PDF出力)・電子署名可能


当社は計量法に基づく校正機関として温度および湿度の登録を取得
ISO/IEC17025に基づく「MRA対応認定事業者」の認定も取得し、JCSS認定シンボルマーク付き校正証明書の発行が可能


当社のサービス技術員または委託サービスマンがユーザの現場にお伺い、主に温度・湿度などの計測機器、調節計、記録計などの点検・校正サービスを実施